メディアにむしばまれる子どもたち

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予防医療研究所 磯村毅先生のオンラインセミナーを受講しました。以前からメディアから子どもを守ろうという学会の存在は知っていましたが今回セミナーをきっかけに「メディアにむしばまれる子どもたち」を読みました。とても興味深い内容で、お子さんが生まれる前から読めていたら考え方ががらっと変わりそうだなとも思いました。

気になる箇所はたくさんありましたが、一部引用します。

サイレント・ベイビー

人間は「光るもの、動くもの、音がするもの」が気になるという本能を持っています。そのために、テレビがつけっぱなしの環境だと、赤ちゃんはテレビ画面に注意を奪われ、脳にダメージを受けるのです。そのことを、この赤ちゃんから教えてもらいました。大人が気づいていないサイレント・ベイビーは、結構たくさんいます。

いいこだねと言い過ぎるといい子でいなければならないと自分を表現できなくなると聞いたことがありますが、いい子=おとなしく従う子のような気がしています。メディアから目を離せずに静かにしているだけだとしたら・・・

過剰なメディア漬けの弊害

第一は「親子の絆が希薄なまま時間が過ぎていく」ことです。第二は「社会力の土台が形成されない」ことです。第三は「心の発達に遅れが生じる」ことです。第四は「コミュニケーション」や「パーソナリティ」の問題が形成されることです。

メディアにむしばまれる子どもたち

乳幼児健診に携わっていて、保健師さんは発達面や環境面を話し合っていました。食育でも環境面というのがかなりかかわってきますが、まさかメディア漬けになっていると発達面にも関係してくるとなると見逃せないと思います。

周りを見渡してみると

以前、学生時代は毎日乗っていた電車に久しぶりに乗ったとき、周りを見渡したことがあります。本を読む人はまれで、みんな携帯ゲームをしていました。やりとりをしているというよりは、ゲームをしている人が圧倒的に多いことにびっくりしました。

大人でさえ依存しているスマホ

小さいころから携帯がなかった世代ですら手放せない携帯ですが、生まれた時からスマートフォンがあって、子育て代わりに与えられてきた子どもたちは、依存度がもっと高いような気がしています。セミナーの中では、メディアのスクリーンから受ける刺激はタバコに似ていると聞いてとても納得しました。強い依存性があるのです。

スマホなしでは食事ができない

妹が、ラーメン屋さんへいったときに4人家族がいたそうです。ラーメンが届くまでは絵本を読んだりおもちゃで遊んだりしていたそうです。食事が運ばれて来るやいなや、両親は携帯をセットして、動画を見せながら食事をしていた光景に驚きを隠せなかったそうです。

それを聞いてから、違和感を感じていました。

それより前に箱根のレストランで働いていた時、4人家族がモーニングを食べにいらっしゃいました。食事がくるまで、全く会話はなく、小中学生の娘と息子はずっとゲームに夢中です。飲み物や卵の焼き方を聞いても答えてくれません。両親は、ゲームをしていることに注意するわけではなく、ちゃんと答えなさいと軽く注意していました。終始ゲームをしたまま、たいした会話もなく帰って行かれましたが、箱根に家族旅行で素敵だなぁと思いましたが、顔をあげればきれいな景色があるけれど、ゲームって止められないんだなぁと残念な気持ちにもなりました。

カナダの子育て例

カナダの東部ハリファックスで初めてホームステイをしましたが、ホームスクールをしているシングルマザーでした。

テレビはありますが、DVD専用で、めったにつけません。日本で人気のアンパンマンやドラえもんを紹介しましたが、なかに暴力的な場面やいじめがあるということで首を振られたことを覚えています。

子どもにおすすめの作品を紹介しているサイトがあり、慎重に選んでいました。神経質だなと思っていましたが、彼女の教育方針は見習いたいなと思ったのでした。

トトロは見せていたと思います。

前年代で深刻であろう不眠

大人でもメディア漬けになっていて不眠になっている可能性があります。セミナーの中で紹介されていましたが、寝る前に見ることによって入眠に時間が一番かかるのはTikTokだそうです。刺激が強いのでしょうね。ヤクルトが不眠に良いと話題になり入手困難になると日本でよくある現象ですが、それだけ不眠に悩まされている人が多いこともうかがえます。今度は、機会があれば不眠に悩んでいる人が日々メディアにどれだけ時間を費やしているのか聞いてみたいなと思っています。

そうはいっても、子育ては簡単ではなく、不眠に悩まされる超働き者の日本人女性ならわらをも掴みたい気持ちの方は多いと思います。ただ、その代償は必ずあると本書でも書かれていました。誰もが子育てにスマートフォンがかかせない世の中で抗うほうが困難かもしれませんが、なるべくメディアに触れさせるのを遅らせ(2歳まではやめましょうと言われています)上手に付き合う道を探せたら良いなと思います。

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